嫌やったら離せば良かったわけやし
抵抗せんかったんは俺にもまだ可能性があるって事やんな?
いつもの様にベランダに並んで花火を見てる俺の隣で
花火に視点があってないの横顔を見てたら
めちゃ…切なくなって…
気付いたら…自分でもよー分かるくらい汗ばんだ俺の手で
の手を握ってた…
それは緊張してたわけでも
ヨコが来んくてかわいそうなに同情してたわけでもなくて
大切な人を悲しませてる奴が憎くて仕方ないからや…
の細い指が折れてしまう程強く握ったら
力なくも握り返してきたから
もう離さん…
そう決めた…
ヒナも丸も安も大倉も内も気付いてたと思う
でもそんな事問題やない…
こいつは…
は絶対に離さへん
『ヨコと亮一緒に帰ったらからなんか理由があるんやってー』
ヒナがの顔を覗き込んだら
一瞬俺の手を離そうとする…
だからまた力いっぱい握り返した
『うん…そやな…』
精一杯笑う…
『僕亮ちゃんに電話してみるわー』
花火はもう終盤にさしかかってるのにヨコと亮はまだ来てなくて…
連絡すらない…
他人からしたら、たかが花火と思うかもしれんけど
俺らにとっては特別なんや…
ここにが引越してからはまだ3回目やけど
俺ら知り合ってもう7回目の花火…
7年前の花火大会の夜を送った帰り道
どんなに忙しくても花火だけは一緒に見ようって3人で誓った…
言い出したんは…
ヨコや…
『あっもしもし亮ちゃん?そやで!始まってる!えっ?なんて? …横山くん一緒なん?もしもし?』
『内、電話代わってー』
ヒナが内から携帯を受け取って眉間にしわを寄せて話す…
『もしもし?亮?今どこ? は? もしもし?もしもし? 切りよった… …今のヨコやなー…』
『ヨコ一緒やったん?』
『うん…多分ヨコが亮の電話取り上げて切ったっぽい…』
言ってからしまったって顔してを見る…
まだ平気な顔をする…
本当は
寂しいくせに
傷ついたくせに
泣きたいくせに
いつまでそうやって笑ってるつもり?
その時最後の花火が次々あがって…
花火に釘付けになった赤や青や黄色の顔したあいつらの隣で
今度はが痛いくらい手を握ってきた…
同じ様に赤や青や黄色の顔した…
ヨコがこうして手をつないでた去年までは
どんな顔して花火を見てたんやろ…
毎年花火の後は宴会になるのに…
今年は…普通にご飯食べて
『俺…今日は帰るわー…大倉も安も丸も内も…帰ろ…なっ?』
ヒナがそう言うたら4人ともきょとんとした表情で…突っ立ってる…
『えー?僕帰らんでー』
内が口を尖らして言う…
―バシッ―
『痛っ!村上くん何すんのん!』
『帰るで!』
ありがとう…ヒナ…
ええんやんな?
俺…
ヒナが応援してくれるのはかなり心強いわ…
みんなが帰った後…
『なんかあの子らおったら汚くなるなー…』
もう!もう!と言いながらあっちこっち動き回って部屋を片付け始めた
ソファーに腰掛けてを見てた…
不自然な動きの…
わざと俺を見てない…
避けてんや…
片づけが終わって
する事がなくなって…
『風呂入ってくる…』
風呂に逃げんの?
『待ってーや…なぁ…っ!』
の腕を掴んで引っ張る…
俺の胸におさめたらの鼓動の速さと大きさにびっくりした…
いや、俺の…かな?
『なー…もうやめへん?』
『なっ…なにー?やめるってー?』
まだ笑うか…
『俺の前でだけは笑ってへんでもええねんで?泣いたらええねん…俺女の子の涙苦手やけどの強がった笑顔はもっと苦手やねん…誰かの為に笑ったりせんと…自分の為に泣いてほしい…』
例えば今君がまだ強がって笑ってたとしても
俺には分かる…
君の体が小刻みに震えてるのは
今までいっぱい我慢して
押さえつけてためこんだ
感情っていうもんなんやで?
20091214訂正