『何やってんねん!』
『ギャーーー』
『ちゃうってもっとフライパンあっためてから入れやなぁー!』
『うわぁっっ!!あっちぃー!!』
今日は仕事から帰ったらヒナとが飲みに出てるからって自分らで飯を作ってた…
一番頼りの亮は疲れてる言うて寝とるし
大倉は「食べるの専門ですー」言うとる
ヨコは仕事が長引いてるみたいで
内は「僕指導係」ってカウンターから文句を言ってる
結局丸とヤスが仕方なくキッチンに入ってるけど
さっきからあの調子で…
『何コレ…?』
『特製山田オムライス!!』
…食べやなアカンのん?
胃を気づかうか…
山田を気づかうか…
『俺食わんで』
亮がムクっと起きて一言言うてまた寝た…
丸とヤスはものすごく落ち込んでて…
でも大倉がむしゃむしゃ食べてるのを見て立ち直って…
内もぶーぶー言いながら相当腹が減ってたのか食ってた…
また俺を見て丸とヤスが落ち込む…
『すばるくん食べてくれへんの?』
え…
♪
『あっ携帯!携帯鳴ってるホラホラホラホラ!!』
鳴ってる携帯を見せたら「見せんでも分かります!はよ携帯出てください」と言われた…
ごめんな山田…俺の胃デリケートやねん…
『おぅ!まだ飲んでんのかー?』
『すばるー?ごめん迎えに来てくれへん?』
横で内が「ちゃん?ちゃん?」ってうるさいから
『ヒナや』って言うたらまたブスーっとしてオムライスをつついてた…
『どうしてん?』
『が寝てしもた…もう1時間くらい起きひんねん…だから迎えに来てくれへん?』
『…分かった』
起きひんほどって…えらい飲んでんなー…
俺は安と丸にごめんなー言うて部屋を出た
通りに車をとめて少し歩く…赤いちょうちんの居酒屋に入ったら
「えーから、えーから」「いいです、いいです」とおっさんと伝票の取り合いしてるヒナと
ぐっすり寝てるがすぐ目に入った
を「おーい」と起こしてみたけどニターと笑うだけで起きひん…
『じゃぁ…すんませんお言葉に甘えます…』
『またなー』
おっさんらが帰って「どないしたん?」って聞いたら
『が寝てからずーっと一緒に飲んでてん…楽しかったからって勘定出してくれてん…』
あぁそうなんや…君そう言う事できる子やな…
どこでも誰とでも大丈夫な子や…
尊敬するわ…
『さぁ帰ろか…オラ…すばる迎えに来てくれたで!おんぶしたるから!』
『すばるー?ヒナー?あいやとーめっちゃスキー』
ヒナがをおぶって車まで歩く…
ヒナもヒナで結構酔ってるけどをおぶった途端しっかりした顔をして…
『なんかなーが結婚するらしいわ…』
『…おおおー…連絡とってたんや』
『こいつ律儀やからなーあのままでは終わらせたくなかってんやろ…年賀状来ーへんけど出し続けたんやってー』
『…そっか…あぁ…で飲んでたわけか…』
『今から思えばおっかしな話やなー若かった…俺もお前もこいつもヨコも…』
『そやなー…お前らの事は俺の事でも、俺の事は俺の事みたいなジャイアンみたいな四人やったからなー…こいつは今でもむっちゃ我慢しーやし…』
『そや…でもな一番我慢しーなんはすばるとちゃうか?』
は?
『気付いてたで…すばるずーっとの事好きやったやろ?』
なんやねん…それ…
『はぁ?俺が?ないないないない…だって彼女おったやん…』
『それはにヨコがおるからやろ?』
ヒナはが重たいんか顔を歪めてた…
しばらくヒナも俺も黙り込んでしもて…
なんか言わな認めた事になってしまう…そう思うのに…
俺の口から出て来た言葉は
『いつから気付いてたん?』
ヒナに隠せるはずがない…覚悟を決めた俺に
『すばるがその事に気付いた時から』
そう笑うヒナはまるっきり冗談とも言えん口調で言うから…
そうなんやと納得する自分がいて…
でもそれだけは嫌やと思ってた事…
『ヨコだって気付いてると思うでー』
帰りの車の中での会話はあんまり頭に入らず、途中「飲みなおしやなー」ヒナが言ったから
ビールとおつまみを買いにコンビニに寄って帰った
をベッドに寝かしたらヨコが起きて…
ヒナが3人で一回ちゃんと話をしようって…熱くなって言い出して…
酒が入ってるヒナはえーよ…
でも俺達しらふやし…
ヨコなんて寝起きやしなんの事か全く分かってないで?
それから2時間くらい話したっけな…
あまりおいしいと感じひんかったビールの缶は
俺の気持ちと同じようにあっちこっちに散らばって
散々話したヒナはそのままソファーで寝てしまって
ヨコは申し訳なさそうに「おやすみ」って言っての寝てる二人の寝室に戻った
もし時間を戻せるならいつまで戻せば
俺達は何も間違う事なく進める?
俺がを好きになる前か…
ヨコとがお互いの気持ちを打ち明ける前か…
ヒナがと知り合う前か…
それとも俺ら3人がいつも一緒に笑ったり泣いたり
落胆しては互いに励まし合った日々より
もっと
ずっと
前か…
よく自分の好きな人が幸せやったらそれで良いとか…
そんなきれい事有り得へんと思ってたのに…無意識にそう感じてて
ヨコの事を一途に好きなが好きや
別にいつかを俺のものにしたろーとか思ってたわけやない…
ただヨコがもっと嫌な奴やったらって思う事はあった…
20091214再