『もしもし?亮?今どこ? は? もしもし?もしもし? 切りよった… …今のヨコやなー…』
『ヨコ一緒やったん?』
『うん…多分ヨコが亮の電話取り上げて切ったっぽい…』
そんなん嘘や…ヨコが勝手に切るわけない…
わざとすばるの闘争心を抱かせるために嘘ついた…
さっき…とっさに思いついた…この計画…
すばるの目の奥に怒りの色が見えたから
俺は心の中で呟いた…
がんばれ
『亮?今からそっち行くから』
『さっきの何なんですか?突然意味分からん事言って切るから…びっくりしましたよ…』
『あーごめん…後で話すわ…』
亮の実家についたら亮の部屋でヨコがプリン食べてて…
『なんや…元気そうや…』
『でもまーまだ熱あるんです…』
なんやのん?なんであんたらそんなに寄り添ってんのん?めずらしい…
『なんやねん…そんな目で見んなよ…大体ヒナ何しに来てん?』
『いや… そや…すばると…今二人っきりやで?』
『そうなん…ええんちゃう?さっきも仲良く手つないでたで…』
『は?』
『さっきん家1回行ったんです…ちょうどそん時すばるくんとが手つないでて…』
『それで何も言わんと帰って来たんか…』
頷く亮の横で関係なさそうにプリンを食べてる…
『手繋ぐなんてお前序の口やで…もしすばるとがつきあったとしてみ?
夜中みんなが寝た後にこっそり二人で風呂入ってたらどうする?
嫌やでー絶対!その上長風呂やってみ?トイレに行くのも申し訳ない…
それにー…同じ家の違う部屋でベッドが軋んだら…』
『なっ なんで…知って… なんやねん!!』
俺の言葉を遮ってヨコが叫ぶ
『まだあるで?他には…』
『もうええわっ!』
『とにかくすばるはいっぱい我慢してきてん…せっかく今までがんばってきたのに…
このままやったら無駄になるねん…なんでか分かるやろ?
あいつと同じくらいお前の事も好きやねんで?
お前だってそうやろ?すばるの事…めちゃ好きなんやろ?』
『俺…熱あんねんぞ…』
ブルッと震えたヨコに亮が毛布を巻いてる…
よし…これで役者揃うな…
亮の部屋を出ようとしたら
『お前どこ行くねん…』
『俺?俺はちょっと行かなアカンとこあるから…亮に連れて行ってもらって!』
ヨコが叫んでる声を背中に
俺は心の中で呟いた…
がんばれ
それからしばらく蚊と戦ったりしながらその時を待ってた…
正直こんな事しようと考えてみたのはいいけど
タイミングが分からへん…
でもすばるがベランダに出てきたから
どうかすばるが精一杯かっこよく身をひけました様に…
そう願って火をつけた
― バンッ バンッ ―
どんなに忙しくてもこの花火大会は4人で見るって約束したから…
だから俺は花火大会が開催されへんようになっても
ここでこうして花火を下から見上げるよ?
が笑っていてくれるなら
何年先でも…
何十年先でも…