『すんません、ちょっと用事あるんで次のん乗ります』

ヨコがマネージャーに新幹線一本ずらして言うてるのを聞いたから

俺も同じ様に言うて後を追った

途中すばるに電話してヨコも一緒な事だけ伝えて

どこに行くんかと思ったら

駅をブラブラして缶コーヒーと雑誌買って次の新幹線に乗った…



それだけかいな…

『隣…空いてますか?』

『え…あーはい…ど… ってなんやねん…ヒナか…』

『一本みんなとずらしてん』

『おまえ…聞いてたんか…』

空いてるのに隣なんか座んなよって言いながら足元の荷物をどけてる…

さて3時間あるし何から話そうかなー

って考えてたら

『お前んとこ行くんやろ?』

雑誌を見ながらヨコが聞いてきた…

『え?とりあえず行くよ…ヨコは?』

『…俺…今日は実家帰るわー』

雑誌から目を離さず言う…

『そう言う思たわ…だから一緒の新幹線乗ったんや…お前さー何での事避けてるねん…』

『避けてる?そんなつもりないで…』

それでも雑誌に目を向けながら…言った

『でもはそう思っとんのんとちゃう…?お前らさー最近ちょっとおかしいで?!』

やっと雑誌を置いて…

で、意外な言葉…

『そうやねん…俺らもうアカンのかなーって…あいつ何か言うとった?』

『別に何も言ってへんけど…アカンって…なんで?の事嫌いになったん?』

『ちゃう…そんなんとちゃうねん…なんか分からんけど最近言いたい事も言えんしそれでも前はそんなん見透かして俺の思う様に理解してくれたし、動いてくれたし…でも今はアカン…してほしい様にならんねん…あいつも俺の事分からん様になっとんのんとちゃうかなー…』

『そうなんや…お前ら似たモン同士やもんなー周りに気ばっかり使って…なんでもうんうんって聞き入れるし…その分お互いにだけは甘えたくて…言葉なくても分かってくれるのが心地良ーなっとんねんでもな、やっぱり声にせな想ってる事って伝わらんねや…』

ヨコが真剣な顔をする…こいつがこんな風になってしまうほど…

『言いたい事が言えんのじゃない…言わんでも分かってほしいんやろ…だってそうなんとちゃう?俺には何でも話すで…それは俺には話さな伝わらんからやろ…』

でもそれは

『お前ら二人が日常と…周りに同化しすぎてる中でお互いだけは特別でいたかった証と違うか?』

俺たちのせいでもあるんやな…

『そうなんかな…試したりするんじゃなかった…』

『そうやな…向こうおる間…寂しかってんやろ』

『…おう…だってあいつ見にも来ーへんし…そこまですると思わへんから…』

それからもいろんな話をして新大阪に着く直前に

帰ったらちゃんとと向き合う約束をした






でも

新大阪に着いたら丸と安と大倉が歩いてて…

声をかけようとしたら…

その後ろをすばると楽しそうに話してるが見えて…

『あんな顔…長い間俺には見せてくれへんで…』

隠れてあいつらが車に乗るのを気付かれんように見届けるヨコ…

タイミング悪いな…

『なーヨコ…歩いて帰ろっか?』

思いつきで言ったら

『は?ここから?』

『まっすぐ行ったらすぐや…』

後にひけん様になってしもて…

『俺疲れてるねんけど…』

俺だって疲れてる…でも…今はそんな気分…とちゃう?

『しかも雨やで…』

そう言いながら少し前を歩く…

小雨の降る中ビニール傘が二本…

重たい荷物を抱えた二人…

橋を渡ってたらヨコが急に立ち止まって…

『すばるってさ…』

橋と並行して走る阪急電車を見送ってから続ける…

『すばるもなかなかしぶといよな…1回ちゃんと話しやな…でもそれとこれとは別や…ヨコは自分の事だけ考えてたらええと思うで』

『うん』

歩き出してすぐに赤信号でまた立ち止まった…

今日は赤信号につかまってばっかりや…


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